トンコリについてメモしておくブログ?

ブログのアドレスに〈saibai〉とあるのは「栽培生活」というブログをやっていたなごりです。
最近は栽培に関しては腹の足しになるようなものは全く栽培していません。今住んでいる町営住宅の周りの小さな空き地にあって見た目が綺麗だから生えるにまかせている草があるくらい。
最近はトンコリで遊んでいることが多いので、ここはとりあえずトンコリについてメモしておくブログということにしておきます。

トンコリ自作 ペグを作る(改訂新版)

あるトンコリを弾く方からトンコリ用のベグを3つ作ってほしいと注文がありました。ペグというのはトンコリの弦を巻く器具のことです。従来のトンコリにはペグは付いていません。しかしペグを付けることにより、チューニングでの微調整がしやすくなりますし、演奏の途中で急に弦が緩むといったような事故も少なくなります。下の写真の5つ穴の開いている木でできた四角いやつがそれです。弦の張力だけで付いていてネジも接着剤も使っていないので楽器を傷つけることなく、外せば元通りになります。

まず、20×30ミリ角の角材を用意します。ところがホームセンターで売っているのは、20×10、20×20、1.5×30、30×30ミリ角で、なぜかほしい20×30がない。なので20×10を3つ貼り合わせて20×30ミリ角の角材を作ることにします。ちょっとぐらいのずれやはみ出した接着剤なんかは、乾いた後からサンダーで削ればどうにでもなりますから、気にせずにどんどん作りましょう。

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ペグのメカニカルな部分はギター用に売られているペグを使います。わたしは〔ARIA ( アリア ) / AT-250C〕というのを使っています。サウンドハウスさんで税込み2080円で売られています。ギター用のペグは右用と左用とがあります。トンコリを自分の前に構えた状態を想像してペグのつまみを右回り(水道の栓を閉める方向)に回したときに弦を巻く軸が向こうの上からこちらの下へ巻くようになれば正しい方向です。ギターは6弦でトンコリは5弦なので、右用のペグの一番下の部分は精密ドライバーを使って外しておきます。

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次に20×30ミリ角の角材に卓上ボール盤で穴を開けていきます。穴を開ける間隔は、下の写真に書き込んだような距離になります。横方向の弦を巻く軸が入る穴は、直径12ミリのドリル刃で開けます。上下の弦を通す穴は、直径15ミリのドリル刃で開けます。弦を通す穴は互い違いにずらして穴を開けると構造的に強くなりますし、どの穴にどの弦を通すかが分かりやすくなっていいと思います。最後にニスを塗って着色すると「仕事しました」っぽい仕上がりになります。

Peg

木と金属のどちらにも使える接着剤でペグのメカニカルな部分と木製の土台とを接着して、ペグに付属するビスもねじ込むと、はい、でき上がりです。3つ作ってという依頼で5つできたので、残り2つは自分用にします。

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トンコリ自作 駒を作る(改善版)

このハードメープルの板からこのぐらいの大きさのトンコリの駒を8つ作ります。前回はくり貫き製法でしたが今回は貼り合わせ製法で作ります。

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弦の圧力への耐性や弦の振動の伝わりやすさを考えて板目を取ります。

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卓上丸鋸で切って並べます。

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接着剤で接着します。

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ディスクグラインダーやオービタルサンダーで削って形を整えていきます。

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今までは材料を下に固定して上からディスクグラインダーやオービタルサンダーを当てて削っていましたが今回は下に工作機械を置いて上から手で持った材料を押し当てるやり方でやったら効率よく綺麗にできました。

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くり貫き製法(向かって左)と貼り合わせ製法(向かって右)の違いです。

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貼り合わせ製法のほうが板目の取り方が合理的ですし工程が省力されていて仕上がりも綺麗です。今後は貼り合わせ製法で作っていこうと思っています。

トンコリ自作 弦巻きを作る ショートトンコリ完成

トンコリ自作、いよいよ完成します。最後に残っていた弦巻き(糸巻き)を作ります。わたしはトンコリの弦はトンコリの首の後ろに取り付けるギターのベグで巻くので弦巻きは言わば飾りのようなものです。ですがこの弦巻きは本来はねじ込む摩擦で弦を止めておくものなので材料の木材に強い捻れのストレスを与えるものであり、弱い材質の木材では繊維が捻じ切れていき、やがては破損するに至るものなのであります。アルダー等の堅い木材を使うべきものだったのです。実際にはペグを使うので捻れストレスは加わらず、極端に言えば形さえできれば木材の材質は何でもいいということになります。実際前回作ったときには近くのホームセンターで売っている安い松材の角材を使いましたが、見た目の質感がイマイチな感じがしました。見た目の質感にこだわりたい方やペグなしでこの弦巻きを締めて弦を止めようと考えている方は堅い木材を使ってください。市販の弦楽器ではエボニー(黒檀)とかが使われています。しかしさすがにエボニーほどの高級木材では値が張りすぎますし、堅すぎて加工もしにくくもあるので、今回は使いませんでした。写真の今回使った木材は、わたしが府中家具さんにアルダーで発注してあったときに先方の工場が災害に遭って水没してアルダーはしばらく生産できないとのことで、似た材質の代案として送ってきてくれたものだったのですが、何の木材だったか名前を失念しました。ごめんなさい。

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5本の弦巻きの長さが違うようにしたのは左側の3本の真ん中の弦巻きを巻きやすいように長くしたのがきっかけです。ペグを使うようになってからは実際にこの弦巻きで弦を巻くことはなくなりましたが、それでも長さを違えて作るのは、何となく見た目がデザイン的に面白いからです。堅い木材なので最初は木工サンダーを取り付けたディスクグラインダーでざっくり削り、

Diskgrinder

それからオービタルサンダーで形を整えていきます。例によって粗い目のサンドペーパーから段々細かい目のサンドペーパーに換えていき仕上げていきます。トンコリの首に開けた穴にあてがって少しずつ細く削っていきます。削りすぎると緩くなって使い物にならなくなるので慎重に作業してください。だいたい削り上がったのがこのような状態です。

Genmaki

塗装して首の穴に挿すとこんなふうになります。

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堅い材質の弦巻きと軟らかい材質の本体の質感の違いが分かりますでしょうか。
これで実際に弦を巻くとしたらつまみにくくて無理ですが、弦は後ろに付けるギター用のペグで巻くからこれはあくまでも飾りと割り切れば、この見た目のバランスの良さは自分のトンコリ製作史上最高なのではないかと思います。
弦を張るとこうなります。

Facefront

弦は、太さ違いの種類が豊富に取りそろえられていて便利だという理由で「富士糸」という銘柄の三味線用の弦を使っています。今回わたしは、第1弦をGかF♯でチューニングするつもりで、第1弦に13番の糸を、第2弦に15番の糸を、第3弦に12番の糸を、第4弦に14番の糸を、第5弦に18番の糸を張りました。弦の数字はその太さを示していて数字が大きいほど太い(低音を出しやすい)弦だということになります。三味線の弦は「和楽器市場」という通販サイトを利用して入手しています。
首に巻いている飾りは「シュシュ」という名称で売られている物で髪を束ねる輪ゴムと髪を飾るリボンを組み合わせたものです。後ろはこんな感じです。

Faceback

わたしはトンコリにギター用のストラップを付けています。ストラップがあるとトンコリをしっかり持って運べますし立って演奏する場合も座って演奏する場合もトンコリが安定していいです。
公園の大きな石の前で三姉妹の記念写真を撮りました。

Sisters

この写真を撮ったときに思いがけないことが起こりました。風がトンコリの弦を震わせて「ホワーーーン、ホワーーーン」と和音を奏で始めたのです。トンコリがエオリアンハープ Aeolian Harp になったのです。トンコリを持っている方、屋外に持ち出して風に当ててみてください。鳴り始めるかもしれませんよ。

トンコリ自作 胴体を作る

85%の長さのショートトンコリを作る作業の続きです。箱型に接着した材料を削って舟のような形にしていきます。

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内側はフラップホイールを取り付けたドリルで削っていきます。

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外側はサンダーで削っていきます。フラップホイールもサンダーも最初は60番ぐらいの粗いサンドペーパーで削り120番で4ミリ厚ぐらいまで追い込んでいって仕上げは240番とかの目の細かいサンドペーパーを使います。肩とお尻の内側を削っていない部分は外側も削り残しておいて響板を貼ってから最後に形の仕上げをするときに削ります。

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今回中に入れたのは写真のようなビーズを5つ使わなくなった弦で二重につないで転がらないようにしたものです。ビーズはビー玉の小さいようなもので紐を通すための穴が開けられているもので手芸品店みたいなところで売られています。弦の結び目はほどけないように念のために強力瞬間接着剤で固めてあります。

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一番下に板を敷いてその上に胴体を乗せて中に入れる物を入れて木工用接着剤を縁に塗り響板を乗せてクランプでしっかり押さえつけて接着します。

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サンダーで形を整え緒留めを通す穴を開け響板を4ミリぐらいになるまでサンダーで削ります。それから塗装をします。今回使ったのはアウロの天然オイルステインのダークブラウン色です。この塗料はトンコリの材料の木材を買った府中家具で扱っています。

トンコリ自作 首と胴体の元を接着する

前回作った首を胴体の元に接着します。

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クランプ(万力)を使ってしっかり接着します。接着剤は安物には劣化しやすいものがありますので信頼できる製品を選びましょう。多少割高になっても小さな容器に入ったものを買って早めに使い切ったほうがいいと思います。
寸法は以下のようになります。今回はマウスでなくてフォントを使いましたよ。

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下から見たところは

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肩のあたりのアップは

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こんな感じです。

一割五分短縮トンコリ 首篇

今日は首を作ります。

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こういう寸法で切った木材を貼り合わせてください。寸法マウスで書いたので下手になってます。あ、厚み忘れた。30ミリです。ポイントは木材の目(縦目・横目の目)を全部縦にそろえること。穴は貼り合わせる前に開けること。あっち側とこっち側とから開けて真ん中で開通させると綺麗に開けられます。

これに前回作った顔を貼って大まかなところはサンダーと細かいところは小さなフラップホイールを付けたミニルーターとで削って形を整えると

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こうなります。裏は

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こんな感じです。

穴をこっち側からとあっち側からと開けるときに位置がずれてしまったら「木工パテ」というので埋めるとアンドゥーできます。

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塗装するのであれば仕上がりの色のパテを使うとより目立たなくなります。

トンコリ自作 その8 中に入れる物

トンコリは中に何かを入れる習わしになっています。糸を通せる穴の開いたガラスのビーズを数個輪になるように糸で縛って穴から出ない大きさにして入れるといいと思います。一度大きめのビー玉を入れたことがありますが、転がる音や縁に当たる音がうるさいのであれは止めたほうがいいと思います。転がりやすい形のものは駄目。わたしはまだやったことはありませんが、タカラガイ(向かって右側の写真)などを入れてみてもいいかなと思います。微妙にいびつなので転がってうるさいということはないのではないかと思います。

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トンコリ自作 その7 緒止めの作り方

1ミリ厚のヌメ革をハサミで切って基礎を作ります。

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A4判のヌメ革で4つ作れます。

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切り落とした端切れのヌメ革を上の端に重ね貼りして補強します。穴あけポンチで5つ穴を開けます。

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今回はこのチーター柄のフェイクファーを使います。

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フェイクファーの裏側に接着剤を薄くまんべんなく塗ります。

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こうすることによってフェイクファーが切り口からほつれてくるのを防げます。接着剤を厚く強く擦るように塗ると表の毛のほうに染みてきて毛がくっついて大変なことになります。薄くまんべんなく塗ってください。

接着剤が乾いたら先ほど作ったヌメ革の基礎と同じ形同じ大きさに切り抜きます。ハサミの刃をあまり開けず少しずつ下の布の部分だけを切っていくように切っていきます。フェイクファーには毛並みの流れがあります。トンコリに取り付けたときに毛並みが上から下へ流れるようになるように切り抜いてください。ヌメ革を切り抜いたときのように互い違いに切り取ることはできませんから注意してください。

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ヌメ革の基礎とフェイクファーを接着剤で貼り合わせてフェイクファーにヌメ革に開けた穴に合わせて錐で穴を開ければできあがりです。

チーター柄のトンコリ、強そうでしょう?

トンコリの音階

トンコリはトンコリの背面からトンコリを抱きかかえるようにして両手で弦を弾くのですが、その5本の弦は左手側から右手側に向かって順に第1弦、第2弦、第3弦、第4弦、第5弦と呼ぶ習わしになっています。調弦の音程関係は第1弦から第5弦に向かって下の楽譜のようになります。

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ここでは便宜的に第1弦がCの高さになるように書きましたが、音程関係さえ変えないのであれば、この5つの音は平行移動して上げ下げしてかまいません。
この調弦の特徴は、右利きの人が弾きやすいところに完全4度が鳴るように弦を配置してあるということです。即ち第1弦と第2弦の間の完全4度、第3弦と第4弦の間の完全4度、第4弦と第5弦の間の完全4度です。

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この音階を分析すると、完全4度を4つ積み重ねて第2弦と第3弦の間で分けて一方をオクターブずらして音階全体の音域をオクターブ内に納めたのだと考えられます。こう考えると、低いほうの音と高いほうの音の周波数の比率が3対4である完全4度の響きにトンコリを作り伝えてきた人達が強く魅了されてきたことが分かります。

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トンコリの音階は完全4度を4つ重ねた5音で構成されているわけですが、この完全4度を積み重ねて音階を作る方法で更にもう2回積み重ねて7音にすると「ドレミファソラシ」の全音階が、更に更にもう5回積み重ねると間の半音が全部詰まった半音階が現れますが、音を増やせば完全4度のすぐれた特徴が壊れてしまうので5音で止めたのだと思われます。この5音こそが美しく心地よく音楽的な良い力を持つのだと見定めたトンコリを作り伝えてきた人達の音に対する感性の鋭さ確かさには、ただただ感服するほかありません。

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トンコリ自作 その6 駒の作り方

今回はトンコリの駒の作り方です。材料はハードメープルを使います。できあがった状態で木の目が縦に通るようにカットしています。横目のほうが丈夫なのかな。分かりません。写真の鉛筆で書いた線のように切り抜きます。

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ノコギリの刃が入らないこういう場面で使える道具が「マルチサンディングカットソー」というものです。

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頭についているノコギリの刃を左右に振るわせて前へ削り抉っていくというユニークな工具です。

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マルチサンディングカットソーで切り取った切り口のでこぼこを綺麗に成形するにはミニルーターを使います。写真には小型のフラップホイールを付けた状態で写っていますが、駒を作るときに実際に使ったのは下のほうに並べたヤスリの中の左から3番目の白いコーン型のものでした。ジルコナイトという素材?なのだそうで、削り心地のいいものでした。ミニルーターは「ルーター」とは違って、木工用途よりもむしろバードカービングやプラモデルを作る人やガラスのコップに模様を削り描いたりする人達がよく使うものらしいです。

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上のほうを細く削るにはランダムサンダーかオービタルサンダーを使います。写真では万力に挟んでいますが、この状態では材料が割れやすいです。ちょっと危ないですが材料を手に持って直接振動する紙やすりの面に当てて削ると上手くいきます。使用する紙やすりの荒さ-細かさもいろいろ試してみてください。最初は60番くらいでざっくり削り、その後120番でなでるように少しずつ形を整え、最後は240番でなめらかに仕上げる、といったようにです。練習して慣れてください。工夫してください。そして目・口・鼻の防塵や飛翔物対策、聴覚保護の対策もしてください。それから趣味でトンコリを作っている程度では問題にならないかもしれませんが、振動による疲労に対する対策が甘い工具を熱中して長時間使っていたりすると、手の感覚がなくなってくることがあります。軽い白蝋病のような症状ではないかと思うのですが、とにかく振動による疲労にも気をつけてください。
電動のサンダーは手作業でやるのとは比べものにならない程効率がよく、仕上がりも美しいものです。賢く活用しましょう。

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最後は小さなヤスリで弦を乗せるところの溝を刻みます。

※ 追記
次回作るときは数個分の横目の桁と縦目の橋脚を貼り合わせてから卓上丸鋸で一個分の厚さごとにスライスしたあとサンダーで上部を細く削り出すやり方で作って、くり貫きはなしにしようと思います。そのほうが構造的にも機能的にも作業工程的にも合理的だと思います。橋脚の部分のハードメープルを細く製材する作業は府中家具さんにまかせてしまおうと思います。わたしは接着剤で貼るだけ。

※ さらに追記
参考にしようと思ってバイオリンの駒を見てみました。横目で作ってありました。次回作は横目と縦目の貼り合わせハイブリッドに確定です。手作りの作品というものは、こんなふうに少しずつ改良されていくのです。そして作り手の知見や技能も少しずつ磨かれていくのです。

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