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2008年9月

根粒

Konryukin

大豆の根っこです。ところどころに玉がついていますが、これが「根粒(こんりゅう)」と呼ばれるものです。大豆は、この根粒の中に、「根粒菌(こんりゅうきん)」という微生物を住まわせています。この根粒菌と協力して、空気中の窒素を、植物が利用できる形に固定しています。つまり大豆は、自分が成長するための窒素肥料成分を、自分でつくっているのです。
多くのマメ科の植物は、このように、根粒菌と共生をしています。マメ科の植物が、低肥料状態の畑でも育つだけでなく、マメ科の植物を育てたあとの畑で、マメ科以外の植物もよく育つようになります。

窒素肥料は、高温高圧の条件下で窒素と酸素からつくる方法が発明されて以来、大量に使われるようになりました。その窒素成分が、めぐりめぐって自然界に放出されて、土壌や水系が富栄養化されて、生物が生存できないところが広がっています。
窒素肥料成分は、人間や家畜の糞尿という形でたまりにたまっているのですから、まずこれをきちんとリサイクルするべきです。人工的な窒素肥料を安易に使うことは、自然環境に対して無責任だと、わたしは思います。
マメ科の作物をうまく輪作体系の中にとり入れて、全般的に低肥料状態で栽培するようにすると、過剰施肥をすることがなくなって、窒素成分による環境汚染の問題は解決できるようになります。

赤クローバーも、マメ科です。赤クローバーを畝間に育てるのも、窒素肥料成分を補うのに、いい方法です。わたしは、「ソバ+赤クローバー」と「小麦+赤クローバー」の組み合わせで混植してみたことがありますが、どちらもよく成長しました。
「大豆+赤クローバー」の組み合わせは、いまいちでした。マメ科同士は、うまくないみたいです。

きょうは、枝豆を収穫したついでに、大豆の根っこのほうも見てみました。

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交雑美術展

白もちきび、黒もちきび、黄もちきび、黄八行、キャンベラの5種類のトウモロコシを、それぞれ近い距離で育てていたら、交雑してしまいました。

絶妙な混ざり具合で、ただ食べるだけではもったいないので、額縁に入れて鑑賞してみたいと思います。

Shokutaku_2

          「食卓」

Doukeshi

          「道化師」

Yume

          「夢」

Taiketu

          「対決」

Hidamari_2

          「日だまり」

Katarai

          「語らい」

Yubae

          「夕映え」

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作物の機能性(効能)を言いたてることについて

せんだってから乾燥させていたエゴマの葉っぱを使って、エゴマ茶をつくってみました。

Egomacha ティーポットに数枚の乾燥させた葉っぱを入れて、熱湯を注いで数分。ごらんのように、緑茶のような色のエゴマ茶ができました。味は……味はあんまりしなくて、エゴマの葉っぱのにおいがしました。そのまんまの表現ですが。スーッとしたにおいというよりは、どちらかというと、葉緑素っぽいにおいです。くせのない、ノンカフェインの飲み物としては、悪くないです。でも、わたし個人としては、キクイモ茶のほうに軍配をあげます。2つをブレンドしたら、どうなるかな……。

エゴマ茶というのは、市販されているのかな? いくらぐらいで売られているのかな? という疑問が、入道雲のようにわいてきたわたしは、ネットで調べてみました。そしたら、ちゃんと売られていました。それはいいのですけれど、いくつかのサイトで、こんなうたい文句をつけて売られていたので、あきれてしまいました。いわく……

α‐リノレン酸たっぷりのエゴマの健康茶!

確かにエゴマには、α‐リノレン酸がたっぷり含まれています。ただし、エゴマの実に、です。葉に、ではありません。エゴマ茶は葉からつくるものです。エゴマの葉には、α‐リノレン酸は、あんまり含まれていないはずです。ですから、α‐リノレン酸がたっぷり含まれていることを理由に、エゴマ茶が健康にいい、ということは、言えません。
お客さんからクレームが来たら、「α‐リノレン酸たっぷり」は「エゴマ」を修飾していて、そのエゴマの葉っぱを使ってつくったお茶は、α‐リノレン酸とは関係なく健康的なんだよ、とか何とかと、開き直るんでしょうか。そもそも「健康茶」って、何なんでしょうか。「健康茶」でないお茶は、「不健康茶」なんでしょうか。あ、「ふつうのお茶」ってのもあるのかな。

とにかく、「α‐リノレン酸」という、何かすばらしいものがたっぷり含まれている、健康にいいお茶だ、というイメージを演出しようとしているらしいことは、分かります。でも、「α‐リノレン酸」という言葉は、あまり知られていませんよね? 何がどのように健康にいいのか、けっきょくは、分からないのです。分からなくても、とにかく、「健康にいいらしい」というイメージだけは、印象に残るように、演出されているのです。
こういう宣伝を見ただけで、このエゴマ茶を買うような人は、そうとうにオメデタイ人だと思います。

エゴマ茶の通販で気になったのは、原料の欄に、「エゴマの葉、エゴマの茎」と書いてあったことです。葉っぱは分かるのですが、「茎」? お茶でも、「茎茶」というのがありますから、エゴマの茎からも、エゴマのエキスが溶け出してくるのかもしれませんね。茎を粉砕して一緒に入れておけば、カサも増えるし、お買い得な感じがして、いいのかもしれません。よう知らんけど。

わたしは、エゴマを栽培していますが、エゴマの機能については、ほとんど語ったことがありません。機能を求めて食品を摂取するのは、はしたないことだと、わたしには感じられるからです。おいしさを追求するのも、はしたないと、わたしは感じます。食べ物というのは、身近なところで簡単に手に入るから、それを食べる、というあり方が本当だ、と思います。
わたしは、エゴマや、キクイモや、イネ科の雑穀類を栽培しています。それらを栽培する理由は、それらが比較的栽培しやすく、それでいて、わたしたちの生命を支える力を十分に持っているからです。これらの作物の機能性を喧伝する人たちもいますが、そういう人たちに、わたしは与したくありません。「ダイエット」とか、「グルメ」とか、わたし、一度も言ってませんでしょう? 当たり前の生活を、自分でつくっていきたい、わたしの願いは、ただそれだけなのです。

きょう、畑にいたとき、犬を散歩させている女性がとおりかかって、道路沿いにちょうど100本育てているキクイモを見て、
「あ、これ、キクイモですね」と言いました。
キクイモを知っている人は少ないので、うれしくなって、
「はい、そうです」と、明るく答えました。
話を聞いたら、今年から、その女性もキクイモを育てているのだけれど、収穫時期が分からない、ということなので、1年先輩のわたしは、得意になって説明してあげたのでした。

その女性が言うには、効能(どんな病気に効くか、ということ)と調理法を印刷した紙をつけて、土曜市か道の駅で売れば、爆発的に売れるのではないか、とのことでした。
効能のほうは、薬事法違反になるので、書けませんが、調理法をつけて売る、というのは、いいアイデアです。「爆発的に売れる」かどうかは、分かりませんけど。
効能を書かないのは、薬事法違反だから、というだけではなくて、わたしはキクイモという作物がすきなので、効能などというヤボな口上で売り込みたくないのです。ちょっと『清貧譚』の主人公、馬山才之助が、すきで育てている菊を、生活費を得るために売るのをためらうのに似ているかなー、なんて思ったりしています。

それにしても、近所に、キクイモなどという、超マイナーな作物をつくっている人がいることを知っただけでも、大収穫でした。それこそ、「爆発的に売れる」ようになったら、ライバルになるかもしれませんね?!

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