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作物の機能性(効能)を言いたてることについて

せんだってから乾燥させていたエゴマの葉っぱを使って、エゴマ茶をつくってみました。

Egomacha ティーポットに数枚の乾燥させた葉っぱを入れて、熱湯を注いで数分。ごらんのように、緑茶のような色のエゴマ茶ができました。味は……味はあんまりしなくて、エゴマの葉っぱのにおいがしました。そのまんまの表現ですが。スーッとしたにおいというよりは、どちらかというと、葉緑素っぽいにおいです。くせのない、ノンカフェインの飲み物としては、悪くないです。でも、わたし個人としては、キクイモ茶のほうに軍配をあげます。2つをブレンドしたら、どうなるかな……。

エゴマ茶というのは、市販されているのかな? いくらぐらいで売られているのかな? という疑問が、入道雲のようにわいてきたわたしは、ネットで調べてみました。そしたら、ちゃんと売られていました。それはいいのですけれど、いくつかのサイトで、こんなうたい文句をつけて売られていたので、あきれてしまいました。いわく……

α‐リノレン酸たっぷりのエゴマの健康茶!

確かにエゴマには、α‐リノレン酸がたっぷり含まれています。ただし、エゴマの実に、です。葉に、ではありません。エゴマ茶は葉からつくるものです。エゴマの葉には、α‐リノレン酸は、あんまり含まれていないはずです。ですから、α‐リノレン酸がたっぷり含まれていることを理由に、エゴマ茶が健康にいい、ということは、言えません。
お客さんからクレームが来たら、「α‐リノレン酸たっぷり」は「エゴマ」を修飾していて、そのエゴマの葉っぱを使ってつくったお茶は、α‐リノレン酸とは関係なく健康的なんだよ、とか何とかと、開き直るんでしょうか。そもそも「健康茶」って、何なんでしょうか。「健康茶」でないお茶は、「不健康茶」なんでしょうか。あ、「ふつうのお茶」ってのもあるのかな。

とにかく、「α‐リノレン酸」という、何かすばらしいものがたっぷり含まれている、健康にいいお茶だ、というイメージを演出しようとしているらしいことは、分かります。でも、「α‐リノレン酸」という言葉は、あまり知られていませんよね? 何がどのように健康にいいのか、けっきょくは、分からないのです。分からなくても、とにかく、「健康にいいらしい」というイメージだけは、印象に残るように、演出されているのです。
こういう宣伝を見ただけで、このエゴマ茶を買うような人は、そうとうにオメデタイ人だと思います。

エゴマ茶の通販で気になったのは、原料の欄に、「エゴマの葉、エゴマの茎」と書いてあったことです。葉っぱは分かるのですが、「茎」? お茶でも、「茎茶」というのがありますから、エゴマの茎からも、エゴマのエキスが溶け出してくるのかもしれませんね。茎を粉砕して一緒に入れておけば、カサも増えるし、お買い得な感じがして、いいのかもしれません。よう知らんけど。

わたしは、エゴマを栽培していますが、エゴマの機能については、ほとんど語ったことがありません。機能を求めて食品を摂取するのは、はしたないことだと、わたしには感じられるからです。おいしさを追求するのも、はしたないと、わたしは感じます。食べ物というのは、身近なところで簡単に手に入るから、それを食べる、というあり方が本当だ、と思います。
わたしは、エゴマや、キクイモや、イネ科の雑穀類を栽培しています。それらを栽培する理由は、それらが比較的栽培しやすく、それでいて、わたしたちの生命を支える力を十分に持っているからです。これらの作物の機能性を喧伝する人たちもいますが、そういう人たちに、わたしは与したくありません。「ダイエット」とか、「グルメ」とか、わたし、一度も言ってませんでしょう? 当たり前の生活を、自分でつくっていきたい、わたしの願いは、ただそれだけなのです。

きょう、畑にいたとき、犬を散歩させている女性がとおりかかって、道路沿いにちょうど100本育てているキクイモを見て、
「あ、これ、キクイモですね」と言いました。
キクイモを知っている人は少ないので、うれしくなって、
「はい、そうです」と、明るく答えました。
話を聞いたら、今年から、その女性もキクイモを育てているのだけれど、収穫時期が分からない、ということなので、1年先輩のわたしは、得意になって説明してあげたのでした。

その女性が言うには、効能(どんな病気に効くか、ということ)と調理法を印刷した紙をつけて、土曜市か道の駅で売れば、爆発的に売れるのではないか、とのことでした。
効能のほうは、薬事法違反になるので、書けませんが、調理法をつけて売る、というのは、いいアイデアです。「爆発的に売れる」かどうかは、分かりませんけど。
効能を書かないのは、薬事法違反だから、というだけではなくて、わたしはキクイモという作物がすきなので、効能などというヤボな口上で売り込みたくないのです。ちょっと『清貧譚』の主人公、馬山才之助が、すきで育てている菊を、生活費を得るために売るのをためらうのに似ているかなー、なんて思ったりしています。

それにしても、近所に、キクイモなどという、超マイナーな作物をつくっている人がいることを知っただけでも、大収穫でした。それこそ、「爆発的に売れる」ようになったら、ライバルになるかもしれませんね?!

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コメント

日本に帰った時田中さんのえごま、菊芋を分けてもらいたいです。効能の誇大宣伝が流行りだしたのは健康食ブームあたりからでしょうか。自分も
食物や植木を効能の視点でみがちだったので もっとそのものの側にそった見方ができたら 自然だと思います。
今日は 明日ハリケーンが来るというので種から育てたペパーを切って片付けたのですが 悲しかったです。野菜とか出荷できなくて畑に捨てる農家の人の辛さを感じました。土だけは残したのでまた土を作り直します。これは好きなのですが 原始的な方法なので ふんだんにある枯葉をベランダでは土にするのが難しかったです。

投稿: むべ | 2008年9月 6日 09時25分

エゴマとキクイモ、よろこんでお分けします。

人間、長生きしたいとか、きれいになりたいとか、頭がよくなりたいとか、精力が強くなりたいとか、いろいろ欲望がありますけれど、そういうのをあおって食べものを売る、というのは、わたしの趣味に合いません。
機能を知ること自体は、そんなに悪いことでもないとは思っています。身近な野草で、意外な効能を持っているものがあったりしますし。

ハリケーン、くれぐれもお気をつけください。

投稿: 田中敬三 | 2008年9月 6日 09時49分

それにしても、エゴマの機能性は、αリノレン酸を含む「種」にあること、消費者も「葉や茎にはない」ことぐらい、自分の力で知れる消費者でありたいものですね。

投稿: 森下礼 | 2008年9月 6日 19時28分

「健康」という言葉がついていれば、あまり考えないで飛びつく消費者がいる、ということでしょう。ムードを消費しているのです。「αーリノレン酸」だけでないです。似たような例は、いくらでもあげられます。

わたし、2年前に、日本エゴマの会の催しに参加するために、岩手県の衣川に行ったことがあります。ふつうの旅館に泊まったのですが、朝食に、野菜のエゴマ和えが出てくるのです。自宅の庭でエゴマをつくっている人も多いですし、お店で売られてもいます。機能性だの何だの、言う人はいません。当たり前の生活中に、自然にエゴマがあって、いいなあと思いました。

投稿: 田中敬三 | 2008年9月 6日 20時49分

おおがかりな予報でしたが 雨と停電で済みました。強風がなかったのがなにより。空を見上げることが多いですよ。いいことですけど。のんびりしているのか隣の高校では昨夜10時までブラスバンドの練習をしていました。まわりでは文句もいいません。日本でしたら
電話が来るでしょう。
私ももう北海道へ行くことはないかと思いますが
インターネットで遠いところの若い人と会話ができて嬉しいです。

投稿: むべ | 2008年9月 7日 03時12分

ハリケーンの被害が小さくて、なによりでした。
ペパーを切ってしまったのは、残念でしたが。

投稿: 田中敬三 | 2008年9月 7日 08時09分

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