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統計で見る日本の農業

今回読んだのは、農林水産省大臣官房統計部編集『ポケット農林水産統計 平成20年版』(農林統計協会)です。

「主要国の土地種類別面積」という表があります。
日本の耕地+永年作物地(果樹とか)の面積は、469万2000ヘクタールなのだそうです。これを、平成18年の日本の人口、1億2795万人で割ると、3.7アールになります。農地を国民に均等に分けた場合の、一人の取り分です。穀物食なら、ぎりぎり自給できますか。かなり厳しいかもしれません。もっと少子化が進んだほうがいいですね。
他の国ではどうかといいますと、例えば、アメリカ合衆国が58.5アール。フランスが30.0アール。インドが14.7アール。中国が11.8アール、といったところです。

「主要国の産業別就業者数」という表があります。
〈農業・狩猟業・林業の就業者数〉を〈就業者総数〉で割ってみます。国民の何%が農林業者かということですが、日本は3.9%です。
他の国の数字も、ちょっとご紹介しますと、ブラジルが20.5%。ポーランドが15.7%。ロシアが9.7%。お隣、大韓民国が7.4%となっています。

「農林水産物の輸出入額」という表では、輸入が8兆5574億2400万円であるのに対して、輸出は5159億7100万円で、圧倒的に輸入超過です。
輸出品目別輸出額のランキングで意外に思ったのは、3位に〈真珠〉が入っていたことです。年間365億2800万円も、真珠を輸出しているのですね。

ちょっと、社会科のクイズをしてみましょうか。輸入農産物の、輸入相手国の上位3カ国を言いますので、農産物の品目を当ててください。ヒントは、牛肉、小麦、大豆、バナナのうちの、どれかです。
第1問。アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア。
第2問。アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル。
第3問。オーストラリア、アメリカ合衆国、ニュージーランド。
第4問。フィリピン、エクアドル、台湾。
簡単すぎますか?
第1問と第2問は、似ています。3位がオーストラリアかブラジルかが違います。答えは、オーストラリアのほうが、小麦です。ブラジルのほうが、大豆です。アマゾンの森をつぶして、遺伝子組み換えの大豆畑にして、日本の豆腐・納豆・みそ・しょう油用の大豆を作っています。
第3問は? 牛肉ですね。OGビーフオージービーフ(オージーって‘Aussie’と綴るそうです。OGというのは、卒業した女子先輩を指す和製英語なんですって。間違えました)。1位のオーストラリアは、2位のアメリカの10倍以上の、圧倒的な輸入量です。アメリカの牛肉は、きらわれているんですね。産地をチェックしにくい外食とか、加工食品とかに使われているのでしょう。
第4問は、そう、バナナです。

国内に目を向けて、「都道府県別農業産出額」の表を見てみましょうか。
農業が盛んな都道府県ランキング、ダントツトップは、日本の食料生産基地=国内植民地の北海道です。桁違いの1兆飛んで527億円。
農業生産額第2位の県は、どこでしょうか。南へ飛んで鹿児島の4079億円なのです。3位以下は、千葉県、茨城県、宮崎県と続きます。

「耕作放棄地」の表があります。全国の耕作放棄地は、38万5791ヘクタールあるそうです。耕地面積が、田と畑を合わせて465万ヘクタールですから、8.3%が耕作放棄地、ということになります。けっこうあるものですね。

「耕作目的の田畑売買価格」という表があります。田んぼや畑を買うとしたら、どのぐらいの値段がするのでしょうか。
全国平均で、10アール当たり、101万4000円だそうです。うーん、高いですね。でも、耳寄り情報です。北海道は、やはり10アール当たり、なんと13万円ぽっきりだそうです。家族で〈3反農業〉をやって、40万円弱。これなら、買えるかもしれません。

農地を買うのではなしに、借りるんだったら、年にいくらぐらいで貸してもらえるのでしょうか。「田畑別実納小作料」という表があります。これによると、10アール当たり、全国平均で、6225円だそうです。貸し農園とかに、謝礼を払いすぎていませんか? 北海道では、4311円ですって。〈実納〉の平均ですから、場所によっては、ただみたいな小作料で借りている人もいるんでしょうね。北海道にいらっしゃいますか?

〈新規就農〉という言葉がはやっていますが、どういうような人たちなのでしょうか。
「就農形態別新規就農者数」という表があります。平成18年の数字で、〈自営業就農者〉、つまり、学校を卒業して、農業をやっている親の跡を継ぐようなケースが、7万2350人。〈雇用就農者〉、つまり、法人などに雇われる農業労働者が、6510人。〈新規参入者〉、つまり、農地を買うか借りるかして、独自経営で農業をはじめる人が、2180人なのだそうです。必ずしも、新規就農者=新規参入者ではないのですね。親の跡を継ぐ人を除けば、むしろ、新規参入者よりも雇われて農業をする人のほうが、約3倍も多い。このへんは、飛び込む前に、イメージをつかんでおいたほうがいいです。

では、雇われた場合の給料は?ということですが、「主要産業と農業賃金の比較」という表があります。
平成18年のデータで、1日当たりの賃金ですが、製造業は、1万3476円。運輸業は、1万5480円。卸売・小売業が、1万2340円。飲食店・宿泊業が、6876円。農業臨時雇賃金は、データが男女別になっていて、男が、8653円。女が、6538円です。
女の農業が最低で、男の農業は、かろうじて、飲食店・宿泊業よりはまし、という結果です。農家に雇われるよりも、工場で働くか、運送業をやったほうが金になる、というわけです。

もう一つ、農家の借金のデータがあります。平成18年のデータで、農家1戸当たりの借入金は、全国平均で、217万5000円だそうです。これが、北海道に限定すると、1034万8000円になります。北海道は、規模の大きな農業が多く、大型機械など、設備にお金をかけることが多いので、運が悪いと、たちまち借金もふくらみます。平均して約一千万円の借金ということは、もちろん、借金などなく、貯蓄をしている人もいますから、逆に多い人は、億単位の借金を抱えていたりする人も、いくらでもいるわけなのです。
経営で赤字が出ることが予測できながら、お金を貸し付け続けてきた、農協の責任が問われるのではないでしょうか。

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