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カボチャの交雑

540912kabocha

カボチャは、つるを伸び放題に、放任して育てています。なので、早く実る実と、遅く実る実とがあります。早く実った実を取ってきました。ああ! 今年もばらばらだあ!!
ことのはじめは、おととしのカボチャです。まさかりカボチャと、その他いくつかの品種を、わりと近い距離にある畑で栽培していたのです。まさかりカボチャというのは、頭(へたのところ)がとんがっていて、皮が濃い緑色のカボチャです。皮が堅くて、まさかりでないと割れない、というので、まさかりカボチャというのです。
それで、おととしの段階では、まさかりカボチャのつるには、まさかりカボチャの特徴のある実が生りました。そこで、去年は、おととしに、まさかりカボチャのつるになった、まさかりカボチャの特徴のある実から取った種を、まきました。つるが伸びていって、実が生りました。まさかりカボチャの実が生ったと思いますか? いいえ。実の形も、皮の色も、ばらばらなカボチャができたのです。交雑していたのですね。
そこで今年は、去年、同じ一つの実から取った種から育てたにもかかわらず、特徴がばらばらの実に育ったカボチャたちの中から、一番まさかりカボチャの特徴が表れている実を選んで、その実から取った種をまいて、育ててみたのでした。性質が交ざることを交雑、特定の性質を持った実を選んで、その種を育てることを選抜、と言います。さあ、今年はどんな実が生るかと待っていましたら、上の写真のような状態です。見事にばらばらでした。交雑パワーが強くて、2年選抜をしたぐらいでは、とても元には戻らないのでした。
市販されている種は、交配種と固定種とがあります。交配種というのは、特定の品種の雌と、別の特定の品種の雄とを交配(受粉)させて、意図的に交雑させて実らせた実から取った種です。雑種強勢と言われて、交雑させると、そのようにしてできた種から育てた次の代の作物に、勝れた性質(人間にとって都合がいい、という意味で)が出ることがあります。そういう性質を利用して、種屋さんは、意図的に交雑させて、種を生産しています。固定種というのは、交配種ではない、同じ品種の雌と雄同士を受粉させてできた実の種です。純粋種、と言ってもいいようなものです。
まさかりカボチャは固定種なので、まさかりカボチャだけを育てていれば、自家採種をして、まさかりカボチャを毎年育てることができます。ところが、その近くで交配種のカボチャも育てていると、交配種の性質が交ざってしまうことになるのです。ちなみに、同一の交配種同士で受粉しましても、次の代には、ばらばらの性質の実が生ることになります。この現象を「先祖返り」と呼んだりします。プロの出荷農業者は、性質がばらばらでは流通に乗りませんから、一定の勝れた性質が確実に表れる、種屋さんが作った種を、毎年買っています。
性質がばらばらでも、自分で食べるぶんにはどうでもいいので、わたしは、交雑しているかもしれない種を使ったのでした。申し訳ないのは、栽培生活友の会の物物交換で、わたしから得て、まさかりカボチャの種だと思って育てた方方です。同じ実から取った種ですから、わたしの畑と似たような結果になっているのではないかと想像されます。期待はずれでしたでしょう。本当にごめんなさい。今度まさかりカボチャを栽培するときには、交雑していない種を、種屋さんから買いなおします。そして、交雑しないように、まさかりカボチャだけを栽培することにします。
なお、交雑は、作目によって、しやすいものと、しにくいものとがあります。トウモロコシは、とても交雑しやすい作目として、よく知られています。トウモロコシは、交雑した、すぐその年に実る実に、雌と雄の両方の性質が表れたりします。性質にばらつきが出ると、流通に乗らなくて困るので、プロの農業者は、品種の違うトウモロコシは、一定以上の離れた位置にある畑で栽培します。

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