来客・訪問

チプサンケ

Chipsanke

仕事が休みだったので、初めてチプサンケを見てきました。アイヌ語でチプ(舟)+サンケ(下ろす)、つまり舟下ろしの意味。本来は、舟が新しく造られたことを川の神に報告し、木材を提供してくれた山の神に感謝する儀式です。

Tenpuku

丸太をくりぬいて造った舟は安定が悪く、油断すると転覆します。

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川を下っていく舟のステレオ写真です。


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カムイに捧げるイナウ(幣)のステレオ写真。

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トンコリ製作 その3

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トンコリ製作、こんな感じになっています。糸巻きを作るのが、きつすぎてもゆるすぎても駄目で、切り出しナイフと紙やすりとで微調整しながら削るのが大変でした。

中央の穴は、本来は「女のへそ」になぞらえられるもので、形は丸だったり、菱形だったりするのですが、わたしは葉っぱが2枚くっついたような形にしました。一緒に作っている仲間の中には、ハート形にした人もいました。

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弦は、三味線用の弦(絹糸)を使う予定です。この換え弦セットには太弦と中太弦と細弦が入っていますが、1弦と4弦に太弦を使い、2・3・5弦に中太弦を使う予定です。細弦は使いません。
手前の2つは、駒です。毛皮はアザラシの毛皮です。緒止めの所に牛革を貼り合わせて補強して使う予定です。これは、「女の陰毛」になぞらえられるものです。
塗装はどうしようか悩んでいます。白木もきれいなのですが、汚れやすいし、透明なニスをスプレーしてみようか、と考えています。

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おまけ画像。先月も確かこの花の画像を貼ったような……。先月は、ただ単に「花」とだけご紹介しましたが、どうも、「オダマキ」という植物らしいです。今うちの庭で花が見られるのは、これとブルベリーぐらいです。チョウセンアザミも食用菊もアイビーも、消滅してしまったようです。桃も元気がありません。センペルビウムは、冬の間少し減ったのですが、また勢いを取り戻してきています。もう少ししたら、トルファン種の朝顔の種を植えようかと思っています。気候や土に合ったものが生き延びていくという、生き物の法則ですね。
こちら北海道では、6月に入っても朝晩は当たり前にストーブを焚いていたりします。6月で気温が氷点下になるところさえありますから。農家は気を揉みます。

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トンコリ製作 その2

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内側は丸ノミで、外側は平ノミで、厚さが5ミリくらいになるまで彫っていきます。
中にある黒い玉は、クルミです。トンコリの中には、このような物を何か入れます。トンコリ自体は女性の体になぞらえられますが、中に入れる玉は、心臓を意味します。音にはほとんど影響しませんが、トンコリを傾けると、中で転がってコロコロ音がします。

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甲板をボンドで貼ります。ボンドがない時代は、膠(にかわ)を使っていたそうです。

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トンコリを作りはじめました

樺太アイヌの伝統楽器であるトンコリを自作して演奏しよう!という企画に誘われて、参加しています。町内で木工工芸の仕事をしている方に、製作の先生をしてもらっています。
きょうしたのは、ドリルで穴を開けるように掘って(貫通させない)、ノミで荒削りをするところまで。もう少しできてきたら、また報告します。
トンコリは、木製の弦楽器で、中は空洞なのですが、板を貼り合わせたり、板をたわめたりしてではなく、角材をノミでくりぬいて作ります。
わたしが作っているのは、長さが125センチで、材質はホオです。

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ドリルで掘っておくと、ノミを入れやすい。

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掘ってます。

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枝打ちと枝条巻き

今朝の気温は、マイナス23℃でした。玄関のドアの内側の板と、金属のドアノブに霜が付いていました。冷凍庫の中に住んでいるみたいです。部屋には石油ストーブがありますし、いっぱい重ね着していますので、寒くはないのですけれどね。

きのうから、緊急雇用対策として行われている、町有林の枝打ちと枝条巻きの仕事に行っています。
枝打ちというのは、木の下のほうの枝を、長い柄が付いたのこぎりで切り落としていく作業です。節の少ない、上質の材木を育てるための作業です。
枝条巻きというのは、枝打ちで切り落とした枝を、若い木の幹のまわりに縛り付けていく作業です。シカが木の皮を食べたり角を木にこすりつけたりすることで木が傷むのを、少しでも防ぐために、このような障害物をつくります。
わたしは、今のところ、もっぱら、枝打ちばかりしています。底にスパイクを打ってある、山仕事用の長靴をはいて、ヘルメットをかぶって、弁慶のナギナタのようなのこぎりを持って、日がな一日、枝を切り落としています。

風が吹くと、木木の枝葉が揺れて、積もっていた粉雪が降ってきて、白い霧のようになって、そこに木漏れ日が当たって、奥行きのある放射状の光の筋が無数にできて、美しいです。
下のほうを見下ろすと、川が流れていて、川原には白く雪が積もっているのですが、川面には、靄が立ち上っています。川の水は温かいのでしょうか。
林の中の雪の上には、小動物たちの足跡が見られます。鳥の鳴き声も聞こえます。彼らは春まで、何を食べて生きているのでしょうか。

この仕事には、全部で40人近くの人たちが参加しています。緊急雇用対策なので、一人が働く日数は、一冬に15日と決められています。わずかに15日ではありますが、しかし、何もないよりは、ましです。灯油代ぐらいにはなるでしょう。もっと働きたい人、働ける人は、都会のほうへ職を求めて出て行きます。
一緒に働いている人たちと、いろいろ話ができて、楽しいです。町の特産品であるトマトの選果の仕事は大変で、目がまわるようだとか何だとか、町の産業や暮らしの様子などが、少しずつ分かってきています。

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海を見た

きょう、軽トラの車検の住所変更をするために、室蘭まで出かけました。強風波浪警報と、大雨雷注意報が出ていたのを、強行しました。海岸沿いの国道を行きました。
離れたところから見る海は、水面が持ち上がったり、沈み込んだりしていて、波は、岸に近いところまで来て初めて、スローモーションのように、白く崩れていきます。
道のすぐわきが海のところもあって、そういうところでは、波は大迫力で、見えているだけでなくて、崖にぶつかってできた波しぶきを、もろに車にかぶることになります。
波の高いときには波しぶきをかぶるようなところに、家が建っていて、人が住んでいる、というのは、海の近くに住んだことのないわたしには、不安な気分にさせられる光景です。
横風が強かったので、ハンドルを取られそうでした。

7年間住んだ深川市は内陸にあって、海がありません。北海道で海を見たのは、東京から友達が来たときに留萌に行ったときと、母の、礼文島の丘の上にある上村占魚の句碑を見たい、という要望を叶えに礼文島に渡ったときの、2回だけです。
留萌の海は、泳げるところではなく、釣りをする趣味もないので、適当に歩いて、磯の雰囲気を味わって、お刺身定食を食べて帰ってきただけでした。穏やかな海でした。
礼文島の海は、丘の上から見下ろしたので、遠くまでよく見えて、パノラマのようでした。漁師さんたちの生活も垣間見られました。フェリーの航行の速さに合わせて飛ぶ海鳥も、面白かったです。

わたしは、子供のころは、千葉県船橋市に住んでいました。太宰治の「黄金風景」に、その雰囲気が描写されている、船橋です。
あのころは、京成船橋駅のあたりでは、磯の匂いがしたものです。焼きハマグリなんかも、売られていました。今、ららぽーとTOKYO-BAYになっているあたりには、船橋ヘルスセンターというレジャー施設があって、そこで潮干狩りをすることができました。
もっとも、船橋市全体を見れば、多くは、関東ローム層の台地で、わたしはその台地のほうで育ったので、海には親しくありません。

当時はまだ冷凍庫を積んだ自動車はなくて、村に一軒だけあった魚屋さんでは、氷で魚を冷やしながら運んできて、店で売っていました。あまり活きのいい魚ではなく、店のまわりは、いつも生臭くて、近くを通るのさえ、いやでした。
そんなわけで、わたしは、活きのいい、おいしい魚を知らなかったので、魚を食べる習慣が身につきませんでした。
魚の顔とか、うろことかを見ると、食べられたがっていない「気配」を感じて、食べようとすることが気持ち悪くなることがあります。子供のころに形成された習慣は、一生ついてまわりますね。

海を見たら、昔のことを、いろいろ思い出しました。

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オヒョウニレの皮剥ぎ

ナショナルトラスト・チコロナイの催しの、オヒョウニレの皮剥ぎに参加してきました。
ナショナルトラスト・チコロナイは、定款に「アイヌ文化を学ぶこと」が法人の目的の一つとして明記されています。アイヌ民族は、伝統的に、オヒョウニレの皮から繊維を取って、糸を紡いで、さまざまに利用してきました。それを実際にやって、学ぼうという企画です。

二風谷にあるナショナルトラスト・チコロナイの森のオヒョウニレは、まだ育っていないので、富良野にある東京大学の演習林の許可を得て、代金を払って、切らせてもらいました。
作業をはじめる前に、みんなでカムイノミをします。貝澤理事長が、日本語でカムイに語りかけます。
まず、自分たちの都合で木を切ることを告げて、カムイに許してもらいます。また、作業中、森が騒がしくなることを、わびます。そして、無事に作業が終わるようにお願いします。

さあ、作業がはじまりました。

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木の地面に近い部分の皮に、なたで浅く切り込みを入れて、そこをとっかかりにして、下から上へ樹皮を引っ張って剥がします。面白いように、上のほうまでつながって、剥がすことができます。5・6月ごろは、剥がしやすい季節なのだそうです。
繊維を取るのは、木の内皮、根から吸った水を葉へ届ける通路になっている部分です。一番外側の堅い皮は、剥がして捨てます。
あまり成長しきっていない、若めの木のほうが、質のいい繊維が取れるそうです。1本で取れる量は少なくなりますが。
皮をはがされた木は、もちろん、枯れて死んでしまいます。

森の中には、蚊がいっぱいいたので、堅い外皮を剥がしている間、草を焚いて、煙を出して、その蚊たちを追いやりました。けっこう、効果があるものです。

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この日は、取ったオヒョウニレの内皮を持って、二風谷に戻りました。
翌日、この内皮を、重曹を入れたお湯でゆでて、あくを取りました。釜と、半割りのドラム缶の、2カ所でゆでていきます。燃料は、薪を利用しています。

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ほどよくあくが抜けたら、小川で水にさらして、手で擦って、表面のごみを洗い流します。

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わたしは、木1本ぶんの内皮を受け取って、糸に紡ぐことにしました。

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自宅に戻り、濡れた内皮を「洗濯ネット」に入れて、ソメラの高速脱水機で脱水して、軒下の物干し竿に干しました。脱水機を使ったのは、わたしの判断に拠っています。繊維が切れたり、からまったりすることもなく、速く乾いたので、よかったのではないかと思っています。
写真の内皮の乾いたものを、少しずつ水につけて戻して、やわらかくして、さらに薄い皮に剥がして、また、細く裂いて、2本ずつ、捩りを加えながら撚って、糸に紡いでいきます。

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村のお婆さんの、手づくりの、長年使い込んだ「織り機」を見せてもらいました。
糸ができあがったら、今度は、こういう、「織るための道具」も自作することになります。
ものを入れて運ぶための袋をつくろうか、衣服をつくろうか、何をつくるか、まだはっきりとは決めていません。
材料を取るところから、紡いで織るところまで全部自分でやるというのは、もちろん、初めての経験になります。完成までに時間はかかるでしょうが、できあがったところを想像すると、とても大きな達成感があるのではないでしょうか。どきどきしますね。

それにしても、大量生産された衣服が安く買える時代に、自分たちが使うもののために、身近にある素材を使って、糸を撚るところからコツコツ作業をする文化が廃れずに残っているというのは、すごいことだと思います。

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二風谷の自然散策

今年も、ナショナルトラスト・チコロナイの催しに行ってきました。苗木の植え替えと、植林をしました。そして、そのあと、沢沿いを歩いて、自然を楽しみました。

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自生している行者ニンニクです。

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自生しているカタクリの花です。根から本物の片栗粉がつくれますが、天然のカタクリは希少なので、掘りとったら、いたましい(北海道弁で「かわいそう」の意)です。

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自生しているコゴミです。

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山菜をとっているNさん。腰につけている袋に注目。オヒョウの内皮の繊維を紡いだ糸を編んでつくった、彼女自作のものです。

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のんびり昼寝をしているOさん。忍者みたいないでたちですね。

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北大の学生さんが、シカの頭蓋骨を見つけたと、見せてくれました。

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これが、猛毒のトリカブトです。食べたら死にます。草を食べる動物でも、トリカブトだけは絶対に食べないそうです。どうして毒草だと分かるんでしょうね? 人間だけが間違って食べて死ぬのです。くれぐれも、悪用しないように。

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これは、オオサンショウウオの卵だと聞きました。北海道にはエゾサンショウウオというのも生息しているらしいので、詳しい方、違いを教えてください。いずれにしても、珍しい、希少生物であることには、違いありません。

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